文具で楽しいひととき
■ 「独特なフォルムの小銭入れ」  ANDADURA LGWC01 革の小銭入れ  6,090円


 


□大体において、
 それぞれの商品には
 こういう形という
 ある程度決まったものがあるものだ。

 これはそうしたものを
 はなから気にせず作ったという潔さがみなぎっている。
 スカッと気持ち良いくらいに。


□これは、小銭入れ。

 そうと説明されなければ、
 おそらく誰も気づかことはないだろう。

 しかし、
 小銭入れは使う本人が小銭入れであると、
 分かってさえいればいいので、
 実用上は問題はない。

 さて、
 この形、なんと表現すべきか。

 小銭入れとしてだけでなく、
 これまでの人生において
 お目にかかったことがないというくらい独創的。

 真上から見ると
 銀杏の葉っぱのようでもある。


 


 斜め横から少しばかり目を細めて眺めてみると、
 自転車のサドルに見えなくもない。


 


 真ん中にある筋が背骨のようでもあり、
 何か生き物のような有機的なものさえ感じる。


 


 比喩でこれをいくら表現したところで、
 その実体に近づききれないもどかしさがあるので、
 実際に使ってみることにする。


□三角形の頂点の部分を
 横から見ると、
 そこには縫い目がある。


 


 頭にかぶる頭巾のような格好をしていて、
 その内側に本体の一部がもぐり込んでいる。


 


 まずは、
 ここ取り外してみよう。


  


 すると今度は
 頭巾の親分みたいなのが現れてくる。


 


 そして、
 きっとここに小銭を入れるのだろうと思われる
 大きなスペースが出現する。


 


 広げると、
 まるで小舟のようだ。

 小舟とは言ったが、
 小銭の収納スペースとしては
 かなりタップリとしている。


 


 とりあえず、
 まずは行ける所まで行ってみようと思い、
 開いたものを完全に広げきってみた。


 


 すると、
 なんだ、もともとこういう形だったのか
 というくらいにシンプルな形になる。

 立ててみると
 ちょうど瓶を左右対称に
 半分にしたような形になる。


 


 その上下はしっかりと縫い込まれている。

 左側そして、
 底辺はビシッと直接になっているが、
 それ以外のラインは
 独創的なカーブを描いている。

 そのラインを上から見ていくと、
 小さな頭巾のところが少しばかり上を向いていて、
 そうかと思うと、
 そのラインは一気に下がり、
 少し丸みを帯びて、
 わずかに凹んで下へとさがっている。

 この一つひとつの出っ張り、そして凹みは
 折りたたんだ時に
 効果的に作用している。

 ある凹みは折れ目に、
 丸みは小銭がこぼれ落ちない壁、
 そして、小さな頭巾の上向き加減が固定具となっている。


 


 よくよく考えてみたら、
 この小銭入れ、
 しっかりと折りたたんだ時に
 フタが固定出来ているが、
 いわゆるパッチンボタンやチャックなどの
 別パーツによる留め具は一切使われていない。


  


 ただただ革のフォルムだけで
 留め具をこしらえている。

 改めて考えてみるとこれはすごいことだ。


□さてさて、
 この小銭入れを実生活中でどう使っていくか。

 そんなの小銭を入れるに決まってる。

 しかし、
 私にはもうかれこれ7年のつき合いとなる、
 サイプロダクトの小銭入れがある。


 


 お尻のポケットで磨き上げられて、
 すっかりとアメ色に育っている。

 これは今まで通り普段使っていき、
 ANDADURA の方は別な用途に使っていこうと思っている。

 それは海外に行く時。

 海外では、
 当然ながら現地の通貨を使う。

 これがいいのは
 大きく広げられ、
 自分の持っている小銭の全貌が把握できるところだ。

 海外の通貨は、
 慣れないものだから
 ついつい使わずにためこんでしまう。

 これなら広げれば、
 今どのコインがあるかがハッキリとわかるので、
 レジで「3セントあります」、
 「3角(中国の元の下の単位)あります」と出しやすくなる。


 


 海外に行く前に、
 まずは日本のコンビニあたりで
 その練習をしてみようと思う。

 あっ、そうそう
 この独特なフォルムは
 鞄の中から手探りで
 小銭入れを出すときに、
 わかりやすいというメリットもある。



■ 記事作成後記

□この小銭入れの正しい開け方がわかりました。

 ANDADURAのデザイナー、山本さんから
 教えてもらいました。


 


 まず、
 小さな頭巾の先端を
 親指とひさし指でつまみます。

 ちょうど、先端が出っ張ったような形をしてたいのは
 つまみやすくするためだったんですね。

 たしかにつまみやすいです。


 


 そして、
 そのつまんだ部分をぐいと
 上に持ち上げるようにします。


 


 そうすると、
 ロックが解除されて
 開きます。


□小銭だけでなく、
 試しにお札も入れてみました。

 千円札を3回折りたたんでみると
 一応入るには入ります。


 


 お札は折り畳めても
 問題は小銭入れを折り畳むことができるかです。

 かなり窮屈にはなるが、
 ギリギリOKという感じでした。

 ただ、これもお札一枚のみ。

 基本は小銭専用と割り切った方がよさそうです。


 


 (2012年5月1日作成)





 * ANDADURA サイト


 ■関連リンク

 ■ 「とびだす小銭入れ」 cyproduct ヌメ革コインパース

 ■ 「財布ダイエット計画」 ポスタルコ  Pressed Cotton Billfold Fabric & Leather 

 ■ 「心地よい名刺入れ」 ポスタルコ カードケース

 ■ 「握りしめると、名刺が飛び出す」 abrAsus 薄い名刺入れ

 ■ 「万年筆との相性が良いエマージェンシーメモ」 デザインフィル カードメモ 




 TOP   他の文具コラムを見る

 画像で文具コラムを探す


Copyright (C) 2003 Tadashi Tsuchihashi,All rights reserved.