文具で楽しいひととき
3Lオフィスプロダクツ
グリフィット 定規
日ごろ行きつけにしているネットショップをインターネット上でブラブラとまさに、ウインドウ ショッピングを楽しんでいたら、とても気になる定規に出くわした。普段は、定規を使うことなんて、めったにないのに、私は20cm定規に三角定規、さらにはおそらく使わないであろう分度器までも買ってしまった。この定規には、私の様な定規を使わない者までも惹きつけてしまう魅力を秘めている。それが、この3Lオフィスプロダクツ社 グリフィットシリーズの定規。
■ デンマークの文具メーカー
3Lオフィスプロダクツ社は私自身、今回初めて知ったブランドだった。オフィシャルウェブサイトで調べたところによると、デンマークで1969年にルードビグセン兄弟により創業されたオフィス用品メーカーとのこと。書類をはじめ写真やIDカード、CD-ROMなど、様々なものをファイリングする商品を得意としているようだ。
そのどれもが、シンプルでありながら、しっかりとした主張を感じるデザインになっている。今回取り上げる定規も、メモリの視認性などの基本はしっかりと押さえつつ思わず手にとって見たくなる「そそられるデザイン」に仕上げられている。
それもそのはず実は、この定規、2004年にヨーロッパのデザイン賞である「iFデザインアワード」と「レッドドット デザインアワード」の二つも受賞している実力派なのだ。
透明な定規を見慣れているせいか、このブラックとオフホワイトのシックなカラーはとても新鮮。また、このボディに使われている樹脂がツルツルとザラザラのちょうど中間くらいの程よい具合で見た目にも指ざわりという面でもとても心地よい。
■ 立体的なフォルム
今回の3つの定規に共通していることは、一般の平らな定規と違って、立体的なフォルムになっているところだ。この最大の利点は、なんと言っても机の上に置いた定規をさっとつまんで取り上げやすいことだろう。平面の定規が机の上にピタリとへばりついて、それを取り上げるのに一苦労したという人には朗報だ。
さらに、気が利いていることに三角定規と分度には立体フォルムに加え、3つのつまみ穴までこしらえてある。三角定規と分度器に限って言えば、紙の上で、縦・横・斜めといった具合に定規を激しく動かして使うことが要求されるので、このつまみやすさはとても助かる。
その穴の形が、見ようによっては定規が笑っているようにも、はたまた悲しんでいるようにも見えて、この真面目な中のコミカルさが何とも楽しい。
もうひとつの20cm定規の方にも用途にあわせたこだわりがある。これには、先ほどの様なつまむための穴はない代わりに表面にラバーが付いている。しかも、そこには、いかにもスベリ止めに効きそうなくぼみ状のドットまでが敷きつめられている。
先ほどの激しく動かす三角定規や分度器とは違って直線定規というものは、ただただ息をひそめて、スパッとまっすぐの線を引く、ということが最大の役割となる。
このラバーの上に指を乗せると、指先がフィットするということはあるのだが、それだけではない。実は、このラバーは定規の裏面まで張り出していてぎゅっと力を入れて押し込んでみると、その裏面に張り出したラバーの足が、紙をぎゅっと捉えて、安定感のある線引きができるようになっているのだ。
このラバーの足は、指でぎゅっと押さえなければ、紙には触れないので、普段は紙の上をスルスルとスライドすることができる。
三角定規のつまみ穴といい、このラバーといい定規の用途のツボをしっかりと押さえたつくりと言える。また、デザインにこだわった定規ならではの配慮として、壁に吊るしておけるようにフック穴が設けられている。この美しいフォルムを机の引き出しにしまいこまずに壁に飾ってお楽しみあれ、ということなのだろうか。。
実際にかけてみると、机の上で見る時とはまた違った、一面を鑑賞することが出来る。線を引く、計るという目的に対してとても真面目に考えて作られている3L社の定規。こうしたこだわりの一端を知って、3L社の他の商品ももっと見てみたい気がしてきた。
各種Griffit 定規は、こちらで販売されています。
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