文具で楽しいひととき
カランダッシュ
アイバンホー
もともと鉛筆製造所としてスタートした生い立ちや、ボールペンのリフィルを自社生産しているペンブランドということもあってカランダッシュというと、どうしてもクラッチペンシルやボールペンというイメージが強い。そのカランダッシュの中にあって、とても個性的な万年筆がある。それが、このバリアスコレクション アイバンホーだ。
■ つなぎ目のないメタル製メッシュ
バリアスコレクションとは、ボディに特殊素材を使ったシリーズで、ゴールドをはじめ、ウッド、ラバー、カーボンなどを贅沢に使ったペンが揃えられている。このアイバンホーは、素材自体はステンレスなのだが、ステンレスの細い繊維をメッシュ状に編み込んだものでボディを包み込んでいる。
そもそも、この「アイバンホー」とは、イギリスの小説家ウォルター・スコット氏の作品の中で登場する騎士の名前からとったそうだ。なるほど、このステンレスメッシュは確かに西洋騎士が身につける鎧(よろい)そのものといった感じだ。
このメッシュがとてもよく出来ている。胴軸をぐるりと包み込むようになっているのだが、どこにもつなぎ目はない。一体どうやって取り付けたのだろうか。しかも、両手でペンを持って、このメッシュをねじったり、ひっぱったりしても、びくともしない。さすが、鎧をイメージして作ったというだけあって、頑丈に出来ている。このメッシュは手にしてみると、細かく編み込まれているせいだろう、多少のザラザラ感はあるものの、予想以上に優しい触り心地だ。
■ キャップを外すとシャキッという音
カランダッシュらしい六角軸のキャップをはずすと、メタル同士が触れ合う「シャキッ」というかすかな金属音がする。
さながら、騎士が一戦を交えるために剣をぬく時の音のようだ。キャップを戻す時も、やはり「シャキッ」という音がするので、騎士気分がいやがうえでも盛り上がって来る。
はずしたキャップはボディの後ろにささなくても筆記できるだけの十分な長さがあるのだが、キャップをさしたほうが、アイバンホーのよさがより実感できる。
こうすると、自然に指先がメッシュボディにくるので、アイバンホーの鎧を指先に感じながらの筆記を愉しむことができる。
■ 小ぶりだが存在感のあるペン先
ペン先はボディカラーに合わせてロジウムプレートされた18金ペン先が備わっている。
ズシリとくるメタルボディをしっかりと受け止められるよう、ペン先は柔らかすぎることなく、適度な硬さも持ち合わせている。
重量感あふれる鎧をまとったアイバンホー、敵を寄せ付けない頑強なボディであると共に実際に使ってみると、優しさにも満ち溢れているのがとても感じられた。まさに、勇気と慈愛を重んじる「騎士道」そのものだ。
カランダッシュ アイバンホー(各種)は、こちらで販売されています。
YouTube「pen-info」チャンネルでも紹介しています。
*関連コラム
「勝負万年筆」 モンブラン マイスターシュテュック 146
「漆を堪能できる万年筆」中屋万年筆 輪島漆塗り シガーモデル ロングサイズ
「繊細さも併せ持ったキングサイズ」セーラー万年筆 プロフェッショナルギア 万年筆 キング・オブ・ペン
文具コラム ライブラリー
pen-info SHOP