文具で楽しいひととき
シェーファー
カリグラフィーペン
先日、大掃除をしていたら棚の奥のほうからカリグラフィーペンが出てきた。ずいぶん前に、とある方から頂いたものだ。頂いた当初は結構はまって、色々と書いていたが、最近はほとんど手にすることもなくなっていた。大掃除というものは、面倒くさいのであまり好きではないが、こういう思わぬものが見つかったりするのは大変ありがたい。他にやらなければならないことがある時ほど、私は、ちょっとしたことがすごく楽しく感じてしまう性分。
年末の大掃除をこっそり中断して久しぶりにカリグラフィーを試してみることにした。そもそもカリグラフィーという言葉はギリシャ語で「美しく書く」という意味があり、特殊なペンを使って美しいアルファベットを書くことを総称してカリグラフィーと呼んでいるようだ。
■ 西洋書道
その歴史は古く、6世紀頃のヨーロッパ修道院での写本がそもそもの始まりだという。ペンで書いたとは思えない素敵なその文字を海外の看板や印刷物で目にした方も多いと思う。「西洋書道」とも言われるように、確かに日本の書道みたいなトメやハネのような表現もあるので、われわれ日本人には特に馴染みやすいのかもしれない。
本来はインクとつけペンで書くそうだが、今回は気軽にカリグラフィーが楽しめる万年筆タイプのご紹介です。このペン、見た目はちょっとカジュアルなスタイル。キャップをあけると、なじみのある万年筆のペン先が現れる。
でも、よーく見てみると普通の万年筆とは、ちょっと違う。ペン先が、まるではさみでパチンと切られたようになっている。
■ まっすぐにカットされたペン先
この平らなペン先こそ、あの独特なカリグラフィーの文字が書ける秘密なのである。基本的な書き方としてペン先を紙の上において、ペンを下方向に走らせるとペン先とほぼ同じ太さの線が書ける。
今度は、横(右)方向に走らせてみると、細い線が書ける。
さらに次は、誰しも試し書きのときよく書くバネのような連続のぐるぐるのまるを書いてみるとたての太い線が次第に横になるに従い細くなり、それがまた、だんだんと太くなっていく。
1つのペン先が織り成す、こうした色々な表情を持った線がカリグラフィーの独特なスタイルを創り出している。私は決してうまくはないが、はじめにこうした仕組みを理解してお手本どうりに見よう見真似で書いていけば、案外うまくいく。日頃お世話になっている友人や家族にカリグラフィーで書いたカードを贈れば、既製品のカードにはない、ひと味違ったものになるはず。
アルファベットの文字以外にも、模様なんかも書く事ができるので自分だけのオリジナルのカードが作れてしまう。カード以外にも手紙の最後のサインやノートに自分の名前を書くときなどにも使え、活用範囲はかなり多そうだ。
そうそう、カリグラフィーに夢中になっていたが我が家は大掃除の真っ最中だった。家族に気づかれないよう、カリグラフィーをそおっと片付けて、家族の大掃除の進み具合を恐る恐る覗いてみると、妻は昔の写真を懐かしそうに眺め、子供たちは、昔の遊んだおもちゃで遊んでいた。
我が家の大掃除は当分終わりそうにない。
シェーファー カリグラフィーペン は、こちらで販売されています。
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