文具で楽しいひととき
国際 文具・紙製品展レポート
■ ホワイトボードを携帯する時代がやってきた 欧文印刷
ドッシリと会議室に鎮座しているイメージが強いホワイトボード。それをリングノートにして、手軽に持ち運べるようにした「nu board」。今回とっても小さいタイプが登場した。
注目は、付属されているペンの方だ。いくらホワイトボード ノートが小さくなってもボードマーカーが太字では使いづらい。これは、欧文印刷によると0.6mmの筆跡で書けるという。
実際に書いてみたが、たしかにこれまでのホワイトボードマーカーに比べはるかに細く書けた。
これでノートスタイルというよりさらに一歩進めて手帳スタイルのホワイトボードが楽しめるようになる。
* nu board/FME (ファインマーカーエディション)マーカー1本付属 1,500円+Tax
発売時には、リングの位置が横ではなく、上側になるという。マーカー単体での発売もある。
■ ギターを弾く人には嬉しいスタンプ スタンテック
スタンプ台を内蔵した「セルフインキング スタンプ」を幅広く扱っているスタンテックブースで面白いスタンプを見つけた。ギターのコードを書き込める専用スタンプだ。
よくギターの教本などに掲載されている ギターの1弦から6弦を5フレット分スタンプにしている。
この中に●印を付けてギターのコードを表すことができる。
スタンテックでは様々な特注のセルフインキング スタンプの加工を受け付けている。あるとき4本弦のスタンプの注文がいくつもあったという。これはなんのためだろうとお客さんに聞いてみるとウクレレのコードを書くためだということだった。ウクレレ以外にギターでもスタンプの市場があるのではと考え定番商品として売り出すことになった。
*ギター コードダイヤグラム スタンプ
■ カレンダーメーカーが作ったノート 新日本カレンダー
優しい風合いの表紙。
中を開けるとフワリとした半透明の紙が100枚も綴じられている。
100枚なのにノートの厚さは全然感じられない。しかも、軽い。実はこの紙は日めくりカレンダー用の紙だという。とても薄い紙で表面はツルツルとしていて裏面はザラザラとした指触り。さすがに片面のみの筆記になるが、ちょっと面白いノートだと思う。
*365notebook 四季
メモのデザインと言えば、表紙だと思い込んでいたものだから、これを見た時は、意表をつかれた。メモの側面がキレイに彩られている。
それぞれの表紙の色ともコーディネートされている。
側面のカラーは紙面にもグルリと縁取りされている。切り離した時のメモの存在感もバッチリだ。
そして、こちらはリングノート。
特長は、ペンの携帯が他のノートよりも格段に配慮されている点。
ペンホルダーだけでなく、裏表紙をペンのために幅広にしてある。
ペンホルダーだけだとペンがグラグラしてしまうが、こうして下からの支えもあれば、
しっかりと固定できる。
■ 万年筆で書くために生まれた新しい紙 神戸派計画 (運営:大和出版印刷)
万年筆のために抄造された紙「リスシオ・ワン」。万年筆ユーザーの間ではよく知られている紙だ。その大和出版印刷が「神戸派計画」というブランドを立ち上げ、さらにこだわった万年筆用紙をつくりあげた。「GRAPHILO(グラフィーロ)」というもので、しっかりとしたハリのある紙だ。
一番の特長はインクのにじみがほとんどなく細字なら細字、太字なら太字と本来の字幅で書いていけるところ。
そのインクのにじみの少なさという点では「リスシオ・ワン」よりも上だという。
カタログには「ぬらぬらとした書き味」とあった。EFで書いたところペン先がこまかな紙の繊維を捉えているようで適度な書き応えを私は感じた。一方、Bで書いたところ先ほどの書き応えはすっかり影を潜めわずかに手の中に感触が残る程度。Bで書くと、にじみの少なさがよりハッキリと実感できた。
太字で書いていると「ぬらぬら」というよりも「ふわふわ」とペン先が進んでいく気持ちよさに包まれた。A5ノートやメモの他、A4、A5の断裁したままの紙単体の商品もあった。万年筆筆記を幅広いシーンで楽しめる。
*GRAPHILO
■ カヴェコ フルラインナップ プリコ
ISOTの向いの展示会場で開催されていた「DESIGN TOKYO」。そこに私のお気に入りのペンブランドを集めたプリコ社のブースがあった。カヴェコ、レトロ、e+m、マイセンバッハなどなど。中でもカヴェコはブースの半分ものスペースをとってタップリとディスプレイされていた。
カヴェコと言えば、「カヴェコ スポーツ」というモデルが有名だ。私が一番最初にカヴェコデビューを果たしたのも、この「カヴェコ スポーツ」だった。これは、1972年のミュンヘン五輪の公式ペンに採用されたものである。そのスポーツに新たなタイプとして「ストーンウォッシュ」が加わっていた。
メタルボディのエッジがいい具合にはげている。見た目どおりのザラザラとした手触りでしっくりと手に馴染む。「トラベラーズ ノート」あたりと合わせるとステキかもしれない。
*カヴェコ アルスポーツ ストーンウォッシュ
*関連コラム
「ISOT2015 レポート」
「台湾文具の旅 2014 レポート」
「ペーパーワールド・チャイナ2013 レポート」
文具コラム ライブラリー
pen-info SHOP