文具で楽しいひととき
丸善
ポストマン100
例えば、こんなことはないだろうか。
手紙を書き終えて封をする。引き出しをあけて買い置きしておいた切手をとりだし、いざ貼ろうとする。しかし、その郵便物が80円なのか90円なのか、どちらにしたらいいかわからない。郵便局に行けば計りはあるが、もう外出する時間を5分も過ぎている。郵便局に行っている時間はない。悩んだ末に清水の舞台から飛び降りる覚悟で、意を決して90円切手を貼る。
心のどこかで、もしからしたら、この封書は80円でもいいかもしれないという声が聞こえる。あぁ、ひょっとしたら10円損してしまったかもしれない…。というようなことを。
私はそんな苦い経験を何度も味わってきた。しかし、今は違う。この丸善ポストマン100を使うようになってからというもの、心安らかな気持ちで投函ができるようになった。
このポストマン100は、郵便物の重さを計ってくれるものだ。郵便物の重さを計るものは、色々とあるが、そのどれもが大きなものばかり。自分専用に使うにはあまりにも大きすぎる。その点、このポストマンなら、キーホルダーくらいのコンパクトさなのがいい。
こんなに小さくとも、郵便物の重さをしっかりと計ってくれる。
使い方は、送りたい封書をこのポストマンのクリップで固定をして、キーホルダーのようなわっかを手に取り持ち上げればいい。たったそれだけ。
そうすると、郵便屋さんをかたどった矢印が、その重さを示してくれる。要は、天秤式だ。10g単位で100gまで計ることができる。定型から定形外まで対応しているので、一般の郵便はほとんどこれで対応できそうだ。ちなみにこのポストマンの表示に料金はなく重さだけになっている。
料金の方が便利なのではとも思ったが、郵便料金は、このご時世ちょっと油断をすると改定しまうことがある。重さならば、いくら料金が改定されようが、末永く使うことができていいのだ。
商品のパッケージの裏面に現在の代表的な重さと郵便料金が明記されているので、
これを参照すればOK。どうしても料金にしたいという場合は、ポストマンに金額を示したシールを自分で用意して貼るという手もある。
引き出しに入れて置いても邪魔にならず、電池をいれる必要もない。簡易的な計りだが、ひとつもっていると便利だと思う。なにより、80円か90円という悩みから解放されるのは実にありがたい。
*このコラムは、神奈川新聞での連載「至福の文具」を加筆修正したものです。
□ ポストマンは、こちらで販売されています。
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