2012.05.01(254)

「独特な小銭入れ」

ANDADURA

革の小銭入れ

大体において、それぞれの商品にはこういう形というある程度決まったものがあるものだ。

これはそうしたものをはなから気にせず作ったという潔さがみなぎっている。スカッと気持ち良いくらいに。これは、小銭入れ。そうと説明されなければ、おそらく誰も気づかことはないだろう。しかし、小銭入れは使う本人が小銭入れであると、分かってさえいればいいので、実用上は問題はない。

さて、この形、なんと表現すべきか。小銭入れとしてだけでなく、これまでの人生においてお目にかかったことがないというくらい独創的。

■ 真上から見ると銀杏の葉っぱのよう

ANDADURA 革の小銭入れ

斜め横から少しばかり目を細めて眺めてみると、自転車のサドルに見えなくもない。

ANDADURA 革の小銭入れ

真ん中にある筋が背骨のようでもあり、何か生き物のような有機的なものさえ感じる。

ANDADURA 革の小銭入れ

比喩でこれをいくら表現したところで、その実体に近づききれないもどかしさがあるので、実際に使ってみることにする。三角形の頂点の部分を横から見ると、そこには縫い目がある。

ANDADURA 革の小銭入れ

頭にかぶる頭巾のような格好をしていて、その内側に本体の一部がもぐり込んでいる。

ANDADURA 革の小銭入れ

まずは、ここ取り外してみよう。

ANDADURA 革の小銭入れ

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すると今度は頭巾の親分みたいなのが現れてくる。

ANDADURA 革の小銭入れ

そして、きっとここに小銭を入れるのだろうと思われる大きなスペースが出現する。

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広げると、まるで小舟のようだ。小舟とは言ったが、小銭の収納スペースとしてはかなりタップリとしている。

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とりあえず、まずは行ける所まで行ってみようと思い、開いたものを完全に広げきってみた。

ANDADURA 革の小銭入れ

すると、なんだ、もともとこういう形だったのかというくらいにシンプルな形になる。

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立ててみるとちょうど瓶を左右対称に半分にしたような形になる。その上下はしっかりと縫い込まれている。左側そして、底辺はビシッと直接になっているが、それ以外のラインは独創的なカーブを描いている。

そのラインを上から見ていくと、小さな頭巾のところが少しばかり上を向いていて、そうかと思うと、そのラインは一気に下がり、少し丸みを帯びて、わずかに凹んで下へとさがっている。この一つひとつの出っ張り、そして凹みは折りたたんだ時に効果的に作用している。ある凹みは折れ目に、丸みは小銭がこぼれ落ちない壁、そして、小さな頭巾の上向き加減が固定具となっている。

ANDADURA 革の小銭入れ

よくよく考えてみたら、この小銭入れ、しっかりと折りたたんだ時にフタが固定出来ているが、いわゆるパッチンボタンやチャックなどの別パーツによる留め具は一切使われていない。

ANDADURA 革の小銭入れ

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ただただ革のフォルムだけで留め具をこしらえている。改めて考えてみるとこれはすごいことだ。

■ この小銭入れを実生活中でどう使っていくか

そんなの小銭を入れるに決まってる。しかし、私にはもうかれこれ7年のつき合いとなる、サイプロダクトの小銭入れがある。

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お尻のポケットで磨き上げられて、すっかりとアメ色に育っている。これは今まで通り普段使っていき、 ANDADURA の方は別な用途に使っていこうと思っている。それは海外に行く時。海外では、当然ながら現地の通貨を使う。

これがいいのは大きく広げられ、自分の持っている小銭の全貌が把握できるところだ。海外の通貨は、慣れないものだからついつい使わずにためこんでしまう。これなら広げれば、今どのコインがあるかがハッキリとわかるので、レジで「3セントあります」、「3角(中国の元の下の単位)あります」と出しやすくなる。

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海外に行く前に、まずは日本のコンビニあたりでその練習をしてみようと思う。あっ、そうそうこの独特なフォルムは鞄の中から手探りで小銭入れを出すときに、わかりやすいというメリットもある。

■ 記事作成後記
この小銭入れの正しい開け方がわかりました。ANDADURAのデザイナー、山本さんから教えてもらいました。

ANDADURA 革の小銭入れ

まず、小さな頭巾の先端を親指とひさし指でつまみます。ちょうど、先端が出っ張ったような形をしてたいのはつまみやすくするためだったんですね。たしかにつまみやすいです。

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そして、そのつまんだ部分をぐいと上に持ち上げるようにします。

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そうすると、ロックが解除されて開きます。小銭だけでなく、試しにお札も入れてみました。千円札を3回折りたたんでみると一応入るには入ります。

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お札は折り畳めても問題は小銭入れを折り畳むことができるかです。かなり窮屈にはなるが、ギリギリOKという感じでした。ただ、これもお札一枚のみ。基本は小銭専用と割り切った方がよさそうです。

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