文具で楽しいひととき
東京スライダ
木製エクステンダーツイン
ラミー2000の4色ボールペンなど1本で何本ものペンが使える多機能ペン。
たくさんのペンを持つ必要がなく、必要な時に、サッとペンの種類が替えられ、とっても便利。その多機能が鉛筆でも楽しめるツールが登場した。しかし考えてみれば鉛筆には昔から消しゴム付き鉛筆というものがあった。これもれっきとした多機能ペンと言えるものである。
そういう意味で言えば、鉛筆は今の多機能ペンの大先輩ということになるのかもしれない。そんな大先輩が、まだまだ若い者には負けておられん、、という感じで登場してきた感じ。それが、この木製エクステンダーツイン。
メーカーは東京スライダさん。一般の私達にはちょっと馴染みのない社名かもしれない。東京スライダさんは40年の歴史がある画材や製図用品を専門にしている文具商社。
基本は卸をメインにしているが、今回のエクステンダー以外にも付けペンの軸など、いくつかのオリジナル商品も作っている。このエクステンダー、ボディには二つの素材が使われている。
内側にメタルそして外側にはウッド。補助軸というと、メタル製のものが多いが、これは見た目がウッドなので、そもそもの鉛筆らしさというものがあっていい。二層構造ではあるが、木の方が薄くできていてそれほど太くはない。さすがにいつもの鉛筆よりかは太くはなるが、まぁ、普通に握れる。
そして、エクステンダーそのものは、とても軽量。実際に計ってみたところでは、9g。新品の鉛筆が大体5gくらいなので、鉛筆2本分といったところ。ということで、鉛筆をセットしても、それほど重いという印象はない。私が入手したタイプはナチュラルなウッドだが、これ以外にも少し濃い色のブラウンもある。
■ 2本の鉛筆をセットできる
このエクステンダー、多機能ということで、両側に1本ずつ鉛筆がセットできるようになっている。
鉛筆にはHB、B、2B などたくさんの種類の硬度がある。
その中で、気に入った鉛筆を二本選び、それをセットして使うことができる訳だ。
■ 硬度が違う鉛筆をセット
例えば、こんな組み合わせなんかはどうだろうか。通常筆記用に2B、そして反対側には、アイデアを練るときの発想用鉛筆としてやわらかめの4B。
書く内容によって、筆跡の太さや書き味のやわらかさを替えるというのは思いのほか効果的。
太く書ける鉛筆であれば、おのずと一つ一つの文字は大きくなり、キーワードなどを書いていくときにとても目立つ。逆に細かなリストを作っていく時は、やや硬めの鉛筆といった具合に、用途に応じて選べる。せっかく鉛筆にはたくさんの種類の硬度があるので、自分好みの組み合わせを作るのも面白いと思う。
■ 鉛筆と色鉛筆
こうした黒芯鉛筆同士の組み合わせ以外にも多機能ペンのように黒鉛筆と赤鉛筆をセットするというのもいい。
また、消しゴム付き鉛筆とセットするという手もある。
■ お気に入りを2本
この様に色々な多機能が楽しめる。しかし、多機能になるからと言っても必ず違う鉛筆をセットしなくてはいけないという訳でもない。日頃最もよく使う同じ鉛筆2本をセットしてもいい。
一本の鉛筆だと書き続けていくうちにだんだんと芯先が丸くなっていってしまう。そんな時に、もう片側から新しい鉛筆を出して使う。外出先で鉛筆を削ることが出来ない時なんかには便利だと思う。
■ 新品の鉛筆もOK
そもそも補助軸の目的は短くなって単体では到底書けなくなった時に、まさに補助として使うというものである。ということで、これまでの補助軸では新品の長い鉛筆をセットすることは、出来なかった。しかし、今回のツインタイプがそれが出来てしまう。
それは、このツインが筒状になっているため。
確かに、このように新品の鉛筆をセットはできる。しかし、これならそもそも鉛筆単体でも使っても同じことではないか。いまいち、補助軸としての役割が不明確。いや、待てよ。この状態から補助軸を少しばかりペン先側にスライドさせると。。。
やや長くはなってしまうが、鉛筆の芯先がカバーができるではないか。そう、補助軸のもうひとつ忘れてはいけない役割として携帯性の向上という面もある。短い鉛筆の芯先を補助軸の内側に収納しておけばそのまま鞄やポケットに入れても安心だ。
セットできる鉛筆は丸軸、六角軸ともに概ねOK。エクステンダーの全長は12.5cm なので、2本の鉛筆をセットするなら、それぞれ新品の半分くらいになったあたりからがちょうど良い。こんな感じでいろいろな鉛筆の組み合わせが楽しめるエクステンダーである。
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