文具で楽しいひととき
カンミ堂
10ミニッツ 卓上タイプ
スケジュール管理は、私にとって体重管理と同じくらい困難なものとして位置付けられている。いずれも気をつけるべきは、詰め込み過ぎないこと。1日も人間の体も器は決まっているので自ずとその適量は決まってくる。そんなシンプルなことは誰だってわかっているのだが、ついつい詰め込みすぎてしまうんですよね。。これが。
■ 予定でやっかいなのが「ToDo」
さてさて、スケジュール管理というものには、大きく分けて二つのものがある。一つは商談や社内の打ち合わせといった予め時間の決まったアポイント系のもの。そして、もう一つが、ToDoやタスクと呼ばれる類のもの。前者が主に他人との約束事であるのに対し、後者は、自分との約束。相手がいれば約束を破ると、人に迷惑がかかるので結構きっちり守れるが、ToDoとなると自分の中での約束なのでちょっと油断すると、いい加減になってしまいがち。
しかし、このToDoをあなどってはいけない。一日の中では、予定よりも、むしろこのToDoのほうが沢山ある。しかも、日々どんどんと増えていく傾向にある。この日々増えていくToDoをいかに征していくかがスケジュール管理をうまくいかせるかどうかの鍵を握っている。
しかし、予定はスケジュール帳があるが、ToDoには、これまでToDo帳のような専用ツールがなかった。ここにこれまで、スケジュール管理がなかなかうまくいかなかった理由が潜んでいると私は睨んでいる。私は現在、ATOMAのメモで「ToDo全集」というものを作り、その上で日々を「時計式ToDo管理メモ」で管理している。
やはり専用ツールがある方が安心である。そんな中、一日のToDoを管理する専用ツールが登場した。カンミ堂の「10ミニッツ 卓上タイプ」。カンミ堂というとあんみつや、お汁粉あたりを作っているところというイメージがあるが全く違う。オーナーの末永さんは、もともと住友スリーエム社に在籍されていた方。
数年前に独立して、この会社を立ち上げた。やはり、もともとの得意分野である何かを貼り付けるという技術を使ったアイテムを色々と作っている。そして、この「10ミニッツ」もまさにその貼り付けるというものだ。「10ミニッツ」について、すでにご存知の方も多いと思う。
これまでのものは手のひらサイズに一日分のスケジュール欄があり、そこに貼り付ける付箋が付属しているというものだった。
このハンディタイプに加え、今回新たに卓上タイプが登場した。
では早速、本体のご紹介を。サイズは A5サイズを縦にして一回り大きくしたくらい。まずは、これを組み立てなくてはならない。下に付箋のストックスペースがあるのだが、この部分を谷折りするとスケジュール面が起き上がってくる。
この起き上がりを固定するため、裏面のスタンドでしっかりと固定してあげる。
こうするとよくあるデスクカレンダーのように自立する。
個人的にこの自立、とてもいいと思っている。すでに何度も触れているが、私は、スケジュール帳を書見台に乗せている。普段のデスクワークでは、パソコンのすぐ隣に置いて、スケジュールをチェックしている。立たせてあげることで、視線の移動もスムーズにできとっても便利。今回のものは書見台がなくても自らが自立してくれるのがいい。スケジュール紙面を見てみると、右側から「ウィークリーToDo」、「ToDoリスト」、「Today's タイムテーブル」となっている。
タイムテーブルの左には、余白がある。ここには、付属の時間目盛りシールを貼っていく。
本体ボードには全体で12時間分のスペースがあり、シールは朝の8時から夜の9時までと、ちょっと長めに用意されている。そのうち自分が都合がいい時間帯を切り取る。
これを見て、これじゃ足りない!と思われるかもしれない。しかし、1日に12時間も働けば十分ではないだろうか。よく言われることだが仕事というものは用意されている時間の器いっぱいいっぱいに膨張してしまう。
この際、これだけでできるだろうかというくらいの時間帯で挑戦されてみるのもいいと思う。説明書によると使い方は、その日の朝にやるべき事を付箋に書き込んでいくとある。その付箋を見てみると、色分けされている。例えば、時間ごとに色が違う。
■ ひとつひとつのToDoを付せん1枚に書き込む
30分間用は、薄い黄色。60分間は緑、120分間は濃い緑。色だけでなく、付箋の縦の長さも違っている。30分の倍の幅が60分、そのさらに倍が120分という具合に。また、その下に濃い黄色の付箋もある。これは、アポイントに使うためのもの。色は同じだが、こちらも時間の長さに応じて付箋の縦方向も長くなっている。
自分との約束のToDoと他人との約束のアポイントが別扱いされているので、これはわかりやすい。この付箋のルールを理解した上で、その日にやるべき仕事を書き込んでいく。この付箋方式がいいのは、一つ一つのToDoの所要時間を意識せざるを得ないこと。
これまでのリスト式だと、例えば、「A社に電話をかける」という10分で済むものと、「企画書のラフを考える」という1時間くらいはかかるものもリストにしてしまえば、同じ一行になってしまっていた。書いている時は意識しているつもりでもいざ仕事をスタートすると、そうしたことはなかなか意識出来なくなる。
この「10ミニッツ」は一つ一つのToDoを書きこむときに、さて、この仕事の所要時間はどれくらいだろうか?と考え取り出す付箋を選ばなくてはいけない。私は「時計式ToDo管理メモ」を使っているが、この所要時間を意識するというのはスケジュールを円滑に管理するうえでとても重要だと思っている。
では私も、試しに自分の1日のスケジュールをこれに書いてみることにする。まず、その日の仕事がどんなものがあるかを見極めなければならない。私が日頃愛用している「ToDo全集」を広げ、その中から今日、必ずやらなくてはいけないものをリストアップしていった。
ここで、いきなり付箋に書き出すのではなくまずはリストアップだけをした。と言うのも、私の場合はワンステップずつ進めていくのが性に合っているため。リストアップをするときはリストアップだけ、次にリストアップしたものの所要時間を考えていくという流れ。リストアップしながら所要時間も考えると、二つのことを同時に考えなくてはいけない。
こうすると私はそもそものリストアップがおろそかになってしまう。リストアップが終わり、今度は所要時間を考えながら付箋のサイズを選んで書き込む。30分の付箋に書き込んでいるときに気になったのが、これでは小さくて書きづらいということだった。しかしその次の瞬間、私はハッとさせられた。
■ 30分用の付せんには1つのToDoしか書けない
そういうことだったのかと、腕を組み目を閉じてしみじみと思ってしまった。どういうことかというと、30分間は当たり前だが30分間でしかない。短いと思ったのは、きっと私は30分間を実際よりも大きく考えてしまい、いろいろなことをやろうとしていたからなのだろう。30分間は、この付箋のように幅が狭い。その短い時間に沢山のToDoを入れようとしても時間的にはそもそも無理なのだ。
そのことをこの小さな30分間付箋は私に教えてくれた。ここでもやはりワンステップ主義を貫き、私はただただ付箋に書き出していった。
そして最後に書きこんだ付箋をスケジュール欄の中に貼っていく。その中で、やっぱりこっちの方を先にやろうというものが出来たら、そこは貼って剥がせる付箋なので簡単に貼りかえができる。
そうそう、この時にもう一つ意識すべきはその日に自分が仕事に充てる時間のスタートと終了時間を明確にしておくこと。仕事の枠がこれだけあるからといって、それをすべて仕事に充てる必要はないのだ。
これで準備を OKちなみに商品の「10ミニッツ」とは、この一日のスケジュールの準備がわずか十分でできるというところから来ている。私は遠回りをしたので、15分くらいかかってしまった。あとは時計をそばに置いて、それぞれの時間で一つ一つのToDoに取り組んでいけばいい。私は終わったToDoは、マーカーでけ仕込んで終わった感を演出してみた。
嬉しい配慮としては、貼りつけた付箋がヒラヒラして見えづらくないよう透明カバーで押さえられるようになっている。
さらには自分が使っているデスクカレンダーに2穴パンチをすれば、それをとめておくことも可能。カレンダーを見たい時はそれを後ろから前に出してあげればいい。
1日だけではあるが実際に使ってみて一つ気になったのは、これはあくまでも卓上用なので、机の上で使うのには良いが、外出する時はどうするかという問題。そのために、当初からある携帯サイズがあるのだが、できれば、一つの「10ミニッツ」で管理したい。かと言って、大きなスタンドごと持ち出すというのはあまり現実的ではない。
そこで、これを携帯電話のカメラで撮影をしてみた。全体を撮る必要はなく、その外出以降の時間帯さえわかればいいので、そこだけをクローズアップして撮影する。これで解決。一日が終わってみると、どうしても終了出来ないToDoもでてくる。
そんな時は、貼って剥がせる付箋なので明日以降に簡単に持ち越すことができる。
カンミ堂 10ミニッツ 卓上タイプ
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