文具で楽しいひととき
スナップパッド など
気づくとふだん使っている紙がフラットなものばかりになっていた。ここで言う紙は書くための紙である。フラットな紙面に書くことが私のスタンダードになった。
そもそもフラット紙面を明確に意識したのは瞬記だった。綴じノートを取っ替え引っ替え書いていた。綴じノートはノートを開いたときに綴じ部分がわずかに湾曲しているものが多い。万年筆で1行を書いたとき、書き始めと書き終わりで紙面のフラット具合が違う。万年筆はとてもセンシティブな筆記具だ。紙面が湾曲しているところに書くと、それまでスムーズだった書き味に少しばかり変化が現れる。まだ育て中の万年筆であったりするとペンポイントの角が当たる感触に出くわす。それがノイズとなって私の手に残っていた。紙面は真っ平らのフラットのほうがいいなと意識が向いていった。
今、私が愛用しているフラットな面々を紹介しよう。
■ 満寿屋 原稿用紙(特注したもの)
思い返してみると、ここから私のフラット紙面は始まったと言っていい。ただ私がフラットを選んだというよりも、原稿用紙の方がもともとフラットだった。それに私が従った形だ。フラット紙面を始めはしたが、その良さを実感するのはずっと後になってからだ。原稿用紙は一枚一枚がバラバラになっている。綴じられていないので完全にフラット。そこに万年筆で頭の中にあることを書いていく。紙面のどこを書いても常に同じ書き味が続いていく。文字をひたすら埋めていくのに相応しい専用用紙だ。
■ スナップパッド A4
ノートとして使っているスナップパッド A4。中には自分で作っているWマージンペーパーをセットしている。ノートは私にとっては思考を広げる場。そこはフラットであってほしい。自由に走り回る時に、グラウンドの地面が所々盛り上がっていたりすると、落ち着かない。それは考える時も同じことなんだと思う。
09ペンシルの芯先を走らせながら、右手の小指の付け根も常に紙面に触れている。この部分もフラットだとすべらせやすい。そのことが思考の回転具合に影響を与えると私は思っている。
■ フレームマンスリーペーパー
フラット紙面は手帳にまで及んでいる。綴じ手帳だったフレームマンスリー 手帳が廃盤になったのを機にペーパースタイルにした。これにより気付かされたことがある。先ほどから触れている通り、書きやすくなったということに加え、紙面が心なしか広々と感じられるようになったというのもあった。綴じられていると紙面は湾曲していたが、それがフラットになったことで特に横方向が広々と感じられる。
そのフラットな紙面のあちこちに予定を書き込んでいく。フラットのためか一つ一つの予定や情報が並列に、しかも等価値に並んでいる心地よさも生まれた。フラットな紙面の良さは色々とあるものだ。
■ ポケットメモ
ノートそして手帳をフラットにしていったことで、メモもフラットにしたくなった。現在はロディアの12番を使っている。表紙を開くと小さいながらもフラットなメモスペースが広がる。手に持って書くという少々不安定な時はとりわけフラットさのありがたみが感じられる。
■ エアフォルダー Page
書類や原稿をチェックするときに使っているエアフォルダー Page。ボードに書類をクリップでとめると完全にフラットになる。もともとフラットな書類をそのままフラットで扱えるのはやはり使いやすい。
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フラット紙面は書きやすく、情報が並列に文字通りフラットになる、などの良さがある訳だが、デメリットもある。それは携帯性が悪くなることだ。紙面を折らないので、その分どうしても大きくなる。これについては私はすんなりと受けとめている。今の私のワークスタイルは事務所やオフィスに移動することがない。ホームオフィスを拠点に仕事を完結している。この働き方においてはフラット紙面のそうしたデメリットはありがたいことにほとんど感じないで済む。
フラット紙面生活は今後も続けていくつもりだ。
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