2024.09.10(565)

「三角軸の2mm芯ホルダー」

コヒノール

5209

コヒノール 2mm 芯ホルダー 5209

控えめという点ではダントツではないだろうか。とりたてて特徴が打ち出されていない。この芯ホルダーを買ったお店でも他のペンに押され気味で沈み込んでいた。私のところに来てからもペンケースの中に入ってしばらくは静かに収まったままでなかなか使う機会がなかった。でも、この良さに気付かされた。その控えめの良さを語ってみたいと思う。

■ おとなしいデザイン・質感

コヒノール 2mm 芯ホルダー 5209

メインボディはプラスチック製。マットな中にもサラサラとした質感がある。ペンのボディ素材ではあまりお目にかかったことのないプラスチックだ。でも50年の人生の中で手にした記憶があるような気がする。スバリ言い表せないのだけども、工具であるとか何かの操作系のハンドルやノブなんかで触れたことがあるような気がする。ボディは緩やかな三角軸をしている。

コヒノール 2mm 芯ホルダー 5209

三角軸の一面にはブランドと品番が立体的に表記されている。印刷ではないので、あまり主張してこない。いつものロゴは目に入らないように後ろに回すが、これはそのままにしておきたいという気持ちにさせてくれる。

■ 書いてみると分かる良さが際立っている

コヒノール 2mm 芯ホルダー 5209

握ってみると三角軸と言い切れないものがあった。ボディの中央はエッジの緩やかな三角軸だが、先端のメタルの境界線あたりに来ると三角の角がすっかり取れていく。そして私の手を捉えたのがそれぞれの両側から行きあたる中間のグリップ感。三角軸が丸軸へと変化するところで三角の面でないところだけにローレット加工がある。2mm芯は芯の偏減りを避けるべく軸を回転させていく。初めは三角のそれぞれの平らなところに指を添えているが、次第に偏減りを感じ少し回転させる。その時に三角のなだらかな角にあるローレットがやってくる、そのグリップが落ち着く。湯船に肩まで浸かってフーッと息をつく時のような感じで。

コヒノール 2mm 芯ホルダー 5209

コヒノール 2mm 芯ホルダー 5209

プラスチックボディはそれほど重くないので、低重心はあまりない。でも書いている時の落ち着きはある。これは後ろ軸がわずかにテーパーがかかって細くなっているせいだと思う。それによる低重心というよりも自然な重量バランスを感じる。

コヒノール 2mm 芯ホルダー 5209



控えめさいっぱいだけれども、使ってみるとじわじわわかる繊細さが感じられる一本だった。これはもう一本買っておくべきだと思った。

コヒノール 2mm 芯ホルダー 5209

私はアンジェ ラヴィサント 神田スクエア店さんで買いました。2024年9月4日に2本目を買った時、まだ6〜7本ほどありました。

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