文具で楽しいひととき
パイロット
70ml ボトルインク
万年筆のボトルインクを使いきる瞬間はそれはそれは大きな達成感がある。別に大きな声を上げて大喜びする訳ではなく、体の内側からじわじわとした満足感が染み渡っていく、そんなイメージだ。私が最もよく使っている定番インク、パイロットのブルー 70mlボトルを先日使い切った。ボトルの裏には「2019年8月」から使い始めたと日付が書いてある。3年ちょっとで使い切ったことになる。私はあまりあちこちのインクを使わず、パイロットの万年筆には基本この純正ブルーインクばかりを入れている。パイロットの万年筆を何本持っているか、指折り数えてみた。すると11本もあった。70mlの大容量ボトルインクもどんどん減る訳だ。
■ 70ml大容量ボトルインク
このボトルインクを使うようになったのはパイロットのカスタム823のプランジャー吸入機構式万年筆を使い始めてからだ。プランジャーは尾栓をクルクルと緩めシリンダーみたいなものを引き出し、ペン先をボトルインクに沈め引き出したシリンダーを押し込んで吸入していく。この吸入方法にこのボトルが適しているのだそうだ。パイロットのウェブにもそう書いてある。ボトルの中にはプラスチックのパーツが入っている。これがあることで、ペン先がガラスの硬い底にガツンとぶつからずに済むのだろう。それに残り少なくなったインクを縦方向に集める役割も果たしてくれる。ボトルを一旦逆さまにして戻すとインクがそのパーツに集められる。今はプランジャー式に限らず、コンバーターの万年筆の補充にも大いに使っている。
■ 空のボトルを有効利用
そしてこのブルーインクボトルを使いきり、空のボトルを前に考えた。いつもならゴミとしてポイと処分していた。でも今回はこのボトルを有効活用してみたいと考えた。パイロットのインクではもう1色よく使っている色がある。赤インクだ。原稿の校正用として欠かせないインクだ。こちらは小さな30mlボトル。
インクがなくなったら、350mlの詰め替え用のボトルから補充している。それを入れる新たなボトルとして、先ほどの空ボトルを使ってみることにした。ボトルと中のパーツ、そして蓋に至るまで綺麗に水洗いした。そしてしっかりと乾かせた上で注いでみた。ドクドクとたくさん入っていく。ラベルがブルーインクのままというのは少々気になるが、剥がそうとしても、どうにもうまくいかなかった。その代わりに、小さな30mlの小瓶の蓋がうまい具合にセットできた。これなら間違えない。30ml小瓶でインクが少なくなったら、ボトルを傾けつつシュポシュポと吸入していた。70mlボトルなら、先ほどのプラスチックパーツでそれが楽にできる。
*
今回インクボトルを再利用して思った。私みたいに同じインクを使い続けている人なら空になったボトルをどこかに持っていて中身のインクだけを入れてもらうということができたらいいのにと考えた。そういうサービスがあってもいいかもしれない。
パイロット 70mlボトルインク
パイロット 万年筆インク 350ml
関連コラム
「ブルーグリーンを第二の軸足に」セーラー万年筆 インク工房 641 など
「顔料インクデビュー」パイロット 強色 ブルー
「私の定番インク ブルー」パイロット、ペリカン、プラチナ万年筆など ブルーインク
文具コラム ライブラリー
pen-info SHOP