文具で楽しいひととき
オルファ
刃折器
引き出しを開けるとこれがずっと入っている。多分10年以上は引き出しに居座り続けていると思う。ボディには長年引き出しの荒波に揉まれた汚れがそこここに付いている。あまりにも当たり前に引き出しに入っていたので、全く注目してこなかった。毎日使うということもなく、手にするのもたまにだった。しかも使う時間は一瞬だけ。だからなのだろう私の中の印象は薄いものがあった。でも、このアイテムに相当にお世話になっている、ということに改めて気づいた。
■ カッターの刃を折る専用ツール
「刃折器(はおりき)」という。あまり聞きなれない名前だ。「オルファ」は「折る刃」から来ている。以前オルファの方からその名称の由来をお聞きしたことがある。同社では当初から世界展開を考えたいた。そのため世界でも通用する社名にしたいと思っていた。「折る刃(おるは)」をそのまま使うと問題があった。イタリア語では「ha」を「ア」と発音することから「オルア」になってしまう。そこで「OLFA(オルファ)」にしたのだという。
ポキポキと刃を折ることで切れ味を新しくできるカッターである。皆さんもこれまで何度となく刃をポキポキと折ったことがあるだろう。大体のオルファのカッターには後ろに刃を折るために器具が付いている。私もそれを使って折ったことがある。でも折った刃の処分に困ってしまうことが度々あった。ダンボールや新聞紙でグルグルに包んで「カッターの刃!」と書いてゴミ出しをしていた。この「刃折器」はその刃を安全に処分にも手間をかけず折ることができるものだ。
上から見ると、1mmにも満たないくらいのスリットがある。そこに刃を差し込んでポキっと折る。すると折れた刃が中に収まっていくのだ。とても安全にしかも折れた刃のことを気にすることなく折っていくことができる。光にかざして見ると中に何枚もの刃が収まっている。
■ 新しい刃がスタンバイしている
すでに何枚かは使ってしまっているので、もともと何枚入っていたからは覚えていない
何度もポキポキと折っているといずれは刃がなくなってしまう。この「刃折器」には新品の刃がストックされている。先ほどの刃を折るスリットある本体上部のパーツを横にスライドさせる。こうするともう一方の空間から新しい刃を取り出すことができる。
色々な紙を切っては刃をポキと折り、その先に待っている刃を使い切るというタイミング。この「刃折器」は、その先のことまでちゃんと考えてくれているところが素晴らしい。結局のところ、あらゆる行動はその次の行動へと繋がっていることが多い。その次の行動へとすんなりと誘導してくれるアイテムを私たちは便利だと感じる。
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ところで、カッターの刃はいつのタイミングで終わりにしてポキっと折るべきか。ここは悩ましい。全く切れなくなる訳ではない。でも、使っていくことで確実に切れ味は衰えていく。ついつい勿体無いという気持ちが起こり、あと一回だけもう一回だけ使ってからと先延ばしにしがちだ。私は「刃折器」を使うようになって、その考えがガラリと変わった。少しでも紙を切った時の具合がパサパサとなっているのが確認できると、ハイ終わりとこの「刃折器」でポキっと折るようにしている。
私の使っているのは多分これに近いと思います。
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