文具で楽しいひととき
アシュフォード
M5 システム手帳
2020年11月銀座 伊東屋さんで開催された「システム手帳サロン」。会場ではシステム手帳ブランド各社が色々な限定品の販売が行なわれていた。私はそうした限定品には目もくれず、どこでも買える通常品のHB×WA5を買った。何もそこで買わなくてもと思われるかもしれないが、「サロンで買った」ということが私の中で重要であった。今もその思い出を胸にHB×WA5と向き合っている。何を買うかと同じくらいどこで買うのかも私にとって大切なことなのである。
さて、そのシステム手帳サロンではもう一冊のシステム手帳を買った。アシュフォードさんがイベントとして行っていた「オーダージャケットマルシェ」。これはアシュフォードさんが用意した様々な色の革から自分の好きなものを選んで自分だけのM5システム手帳を作るというものだ。しかも表紙や内側、ポケットなどパーツごとに革の色を選び、さらにはステッチやバインダーの色まで選べるのだ。これはまさにスーツのオーダーメイドみたいなものである。会場には、様々な質感の革がハンガーラックにどうだ!参ったか!とばかりに並べられていた。その中で私の目に、そして心にとまった一枚があった。カラフルな革が並んでいる中で、それはどちらかというと静かな色だった。私が「オーダージャケットマルシェ」に行った日は、オーダー会の最終日。カラフルな革はすでにたくさんのオーダーが入っているようで革のあちこちがカットされていた。そんな中で私が目をとめたそれはまだタップリと革を残していた。元来、人と違うことをするのが大好きな私はこの革で行こうと決めた。そして、手元にあったオーダー用紙にその革番号37を書きこんだ。しかも全てのパーツを37番にした。アシュフォードの向井さんからは、全て同じ革で作るのは、このイベントで私だけだと言われた。
■ 思考の整理に使う
そうして出来上がった私のM5システム手帳。白とも違う薄いグレー。ホワイトグレーと私は呼んでいる。汚れるかも、、ということは当然頭をかすめたが、私は文具を断然使っていく派である。使っていけば傷や汚れはついていく。それでいいのである。というか、そういうものである。そうなっていくことで自分だけの限定品に育っていく。
さて、このM5サイズをどう使っていくか。M5を使っていく上で一つ気になることがあった。それは、私が普段書く文字の大きさ、つまりデフォルトの文字が少々大きいことだった。一文字およそ7mm四方くらいある。だからシステム手帳を使うにあたってちょうど良い大きさはHB×WA5に今は落ち着いている。M5を使うとしてもデフォルトの文字の大きさは変えたくない。文字を書く私自身の姿勢はできれば変えたくなかった。そんな大きな文字を書いてM5を使いこなせるのだろうか。
色々考えて一つ思い浮かんだ用途があった。思考の整理である。思考の整理といえば、普段は横型のロルバーン ランドスケープを使っている。今回はそれとはまた違った思考の整理法となる。
■ カードサイズがちょうど良い
翌週にダイゴーさんとのインスタライブが控えていた。テーマは「ToDo管理術」。その話の構成案を考えるのに、このM5を使ってみることにした。使い方はとてもシンプルだ。
頭の中には、ライブでこれを話そうあれも話そうということが色々と渦巻いている。それをM5を横位置にしてリフィル1ページに1コンテンツずつ書いていく。リフィルは片面のページだけに書いて裏面は白紙のままにしておく。この1コンテンツずつというのが重要である。そもそも私のデフォルト文字だと1コンテンツしか書けない。使用したペンはラミー2000のローラーボール。ペン先の向きに自由度があって程よく太い筆跡で書ける。
頭に浮かんだそばから、どんどん書き込んでいく。この時点ではコンテンツの順番などは全く気にしない。とにかく頭の中のものを出すことだけに徹する。
そろそろ出し切ったと思ったら、M5のバインダーを外して書いたリフィルをテーブルにズラリと広げる。
次のステップは、一枚ずつのリフィル(コンテンツ)を見て、同じカテゴリーごとにまとめていく。ラミー2000ローラーボールで書いた文字はテーブル上という少し離れた距離からでもしっかりと認識できる。
カテゴリーごとにまとめていく上で、それぞれのカテゴリー名も必要となる。そこでM5のリフィルを使ってカテゴリー名を書いていく。ここはアイデアを書いたリフィルと区別がつくよう、筆タッチサインペンで書いてみた。テーブル上でカテゴリーをさらに目立つようにしたかったので、半分に山折りにしてみた。こうするとちょうど立て看板みたいになる。これで俄然カテゴリー分け作業がやりやすくなる。アイデアを出して、その後でカテゴリーごとに分けるという思考法は、ふせんでも行われる方法だ。今回のM5リフィルで行うと、テーブル上でカテゴリー分けする際に移動させやすいというメリットがある。
カテゴリー分けが終わったら、再びM5のシステム手帳に綴じていく。この時はカテゴリーならびにコンテンツごとの順番も意識して並べかえていく。あとはこれをもとにM5のリフィルをめくりながらワードやノートなどにまとめていけば構成案の完成である。ちなみにこの時は、ライブのトークPLANだったので、ロルバーン ランドスケープに12時の位置からグルリと時計回りにまとめていった。
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M5のリフィルは、とても小さい。しかし、これをカードに見立てて思考を整理していくと、この小ささは逆に一つのメリットとして捉えられる。システム手帳はリフィルが自由に取り外せ、後で並べかえることも自由自在。考えたアイデアを並べかえて編集するのにも適している。M5という小ささ、そしてシステム手帳ならではのフレキシブルさを大いに活かせる。オーダーしたM5システム手帳をしっかり使えているという満足感が体の内側から沸き起こってきた。
アシュフォード M5(マイクロ5)各種定番システム手帳
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