文具で楽しいひととき
富国紙業
PALLET PAPER
レイド紙とは、細かな縞模様が施された紙だ。縞模様とは言っても、ほのかに感じ取れる程度に抑えられている。光にかざすと細かな縞模倣が浮かび上がって見える。独特な風合いがあって個人的に好きな紙である。
そのレイド紙のひとつに、富国紙業のオリジナルペーパー「ダンデレード」がある。山櫻さんとコラボした「伝書紙」の2番にも使われている紙だ。その「ダンデレード」を色々と楽しめるプロダクトがある。
■ 正方形のダンデレード
商品名は「PALLET PAPER(パレットペーパー)」という。クラフトペーパーで包まれていて、今さっき工場から出荷されたような雰囲気のパッケージ。それをビリビリと破って開けると、中にダンデレードの紙がどっさりと300枚積み重ねられている。紙のサイズは正方形。195mm×195mmというサイズ感は、折り紙をふた回りほど大きくしたくらいのゆったりとしたものだ。
天糊加工されている一枚をヒラリと取り出してみる。それほど厚い紙ではないが、パリッとしたハリを感じる。机の上に置き、紙の表面にそっと指先を添えてみる。ベタッと指先をつけるのではなく、指先が紙の表面に付くか付かないかくらいの塩梅だ。その状態でゆっくりと動かしてみる。わずかにレイド紙ならではの凹凸が伝わってくる。あくまでもほんのわずかに。
鉛筆や少し太めの万年筆で書いてみると、その凹凸は書きごたえとしてもペン先から手に伝わってくる。基本はなめらかなタッチだが、その中にレイドによる程よい書きごたえも余韻として残る。
■ 色々と楽しめるテンプレート
この正方形のダンデレード、そのまま便箋としてメッセージを書いたり、ライティングペーパーとしてイラストやアイデアスケッチを書いていくこともできる。この基本的な使い方に加え、別売りの「PALLET TEMPLATE」を使うと、さらに幅をもたせた用途を楽しむこともできるようになる。
黒い厚紙にゆったりした幅のスリットがいくつも入っている。サイズはダンデレードと同じなので上から重ねることで、罫線を引くことができる。しかも2種類の罫線が引ける。よくよくそのスリットを見ると、片側は直線だが、反対側はユラユラとしている。キッチリとした直線の罫線を引きたいなら、直線のスリットを下に持ってくる。テンプレートを上下反対にすればユラユラ罫線を引いていける。スリット自体の幅が広めなので、太字の万年筆でも引きやすい。両方引いてみたが、私はユラユラの方が好きだ。Bあたりの太めで引いた線はとても味がある。紙の全面に罫線を引いてももちろんいいが、そんなにメッセージを書かないなら中央あたりに5〜6本くらい引いて、一筆せん的に使うのもいい。余白のある正方形一筆せんになる。
正方形なので、横書きだけでなく縦書きもできる
■ 封筒も折れるテンプレート
このテンプレートには各辺に三角のガイドが所々にある。紙の上にテンプレートをピタリと重ねて、そこに薄く印をつける。そこを目印にして折っていく。美しい洋封筒に早変わりするのだ。なお、折る際は、印を裏側にするとやりやすい。
メッセージを書いて折れば、より手紙らしさが増す。一筆せん派の私は、先に封筒を折って、その内側の四角いスペースだけ罫線を引いてみることにした。やり方は、封筒型に折った紙を広げて中央の四角い折り目スペースの上側にテンプレートの上端を合わせて5本の罫線を引く。より個性的な一筆せんになる。
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シンプルな無地の正方形というスタイルなので、アイデアメモ・ToDoリスト・便箋に一筆せんにと色々な用途を楽しめる。それ以外に個人的にオススメな使い方として、お気に入りの万年筆の「楽しみ書き」に使うというのもある。メッセージなど何か目的があって書くのではなく、ただただその万年筆で書きたいという時だ。ひたすら自分の名前を書いたり、その万年筆の書き味だけを楽しんでいく。きっと万年筆ユーザーの方々なら共感いただけると思う。そんな時に、このダンデレードを一枚ヒラリと机に置いて試し書きならぬ「楽しみ書き」にいそしむ。たっぷりとした大きさがあるので、ひたすら万年筆の書き味を堪能することができる。そんな楽しみ方もできる。
富国紙業 PALLET PAPER 1,400円+tax、PALLET TEMPLATE 380円+tax
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