文具で楽しいひととき
ダイゴー
フレームマンスリー手帳
私のマンスリー手帳歴は、かれこれ14年。目をつぶって予定をイメージすると、そこにカレンダーが浮かびあがる。それくらいマンスリーが馴染んでいる。人によっては一週間が横に流れるバーチカルが浮かびあがったり、縦に流れるといった人もいるだろう。どれが正解ということではなく、自分の中に一番染みこんでいるフォーマットを選べばそれでいいのだと思う。私はクオバディスの「ビソプラン」からスタートして、高橋書店の「ラフィーネ」となり、自分なりのカスタマイズを色々と重ね、最終的にはダイゴーさんと出会い自らプロデュースした「フレームマンスリー手帳」を作る機会を頂いた。約1年間使ってきた使い心地、私の使い方などをご紹介してみたいと思う。
■ 余計なものがないという清々しさ
「フレームマンスリー手帳」は1ヵ月を外枠(フレーム)で囲んでいるというのが最大の特徴だ。額縁の絵やパソコンやスマホでもそうだが、何か縁取られているものがあると、人はその内側に意識が向く。この「フレームマンスリー手帳」でもその効果は大いにあり、1ヵ月というものに意識がフォーカスされ、結果スケジュール管理がスムーズにいくようになった。
私は手帳にそんなに多くのことは求めない。ただただ「スケジュール管理」がスムーズにできればいいと、そう思っている。なにか締め切り日があれば、今自分はどこにいて、準備期間がどれくらいあるといったことがわかればいい。さらに言えば、その予定管理のために余計な労力をかけず、自分のパワーをその予定の中にある仕事そのものに注ぎ込みたい。その意味で手帳の紙面に余計な情報がないのもよかった。曜日は「日」「月」「火」「水」の日本語表記のみで「Sun」「Mon」「Tue」などの英語はない。「大安」や「仏滅」などの六曜もナシにした。余計なものはなくして、あるのは日付けとそこに自分が書いた予定だけ。自分にとって一番大切な予定だけがダイレクトに頭に入ってくるようになった。
■ 少し大きくなってゆったりと書ける
サイズはA6(文庫本)をベースに横をほんの少しだけ広く、そして縦方向はマンスリーの1マス分だけ長くしている。これは多くのマンスリー手帳の課題だった「6周目問題」の解決のためだ。つまり、6週目を翌月のページにするのではなく、ちゃんとその月に収めてある。
1日分のマス目もこれまで私が使っていたA6サイズの時より、わずかに大きくなっている。大きくなったということで、たくさんの情報が書けるのではと当初は期待していた。しかし、大きくなった分、私の文字はそのマスに合わせて大きくなっていった。これは我ながらちょっと意外だった。結局自分はマス目や罫線に思っている以上に影響を受けているということなのだと再認識した。横罫線の幅にあわせた文字の大きさにして書くのと同じで、マス目の大きさも知らず知らずの内に察知してバランスのよい文字にしていたという訳だ。
ただ、それでも少し大きいマス目という効果は、以前の「ラフィーネ」の時よりあった。「フレームマンスリー手帳」の方がゆったりしているので、予定と予定のすき間がわずかに生まれ窮屈さがなく見やすい印象になった。これまで手帳の記入スペースを検討する時、これくらいの大きさなら書きやすいだろうという判断基準で考えていたが、書いたものが見やすいかどうかという点も重要だと改めて感じた。こういうことは実際に使ってみないと分からないことだ。
■ タップリとした余白を有効に使う
6週目完全対応をして、31日をページをめくらずに書け、ひとつの枠で囲まれた形がしっかりと頭に刻みこまれるのはやはり爽快だった。実は2018年で言うと6週ある月は9月と12月だけ。その2ヶ月の時はそうした6週目完全対応のありがたさをしみじみと感じられる訳だが、それ以外の5週目しかない月の時にも、その恩恵はタップリと味わえた。というのも紙面の下側に広々とした空間が生まれたからだ。余白ということで言えば紙面の左側にもあり、ちょうどL字状のゆったりとした余白スペースになった。
私は、この余白をこんな風に使ってみた。左側はその週やその月にやるべきことを書き込む。その月にスマホの2年ぶりの更新があるとか、この週のどこかのタイミングでどこどこのショップを訪ねようといったことを書いていく。そして、下側はマス目に書ききれなかった付帯情報を書く。たとえば、ある日にイベントの予定があったとする。その予定自体はマス目に書くが、その日に持って行かなくてならないモノは書ききれない。それはマス目から枠の外に線を引っ張って書き出していく。そうしたスペースにちょうどよい。マンスリー手帳は記入スペースが小さいとよく言われるが、そのための予備スペースとして大いに使うことができた。
■ 一年を計画するイヤープラン
「フレームマンスリー手帳」には、イヤープランが2つある。円スタイルと連続スタイル。正直なところこれらはプロデュースした私もまだうまく使いこなせていないのが現状だ。なにせ、これまで一年間をプランするなんてやってこなかったからだ。でも、一年をプランすることは大切ではあると頭の片隅でずっと考えていた。そこでひとまず、こんな感じで使ってみた。円スタイルには商品企画やイベントの予定などを書き込んでみた。この円スタイルは、この月にはこれをやろうなどとあくまでザックリと一年間を計画するのにいい。使ってみて私の中で効果があったのは一年間を1つの円で捉えることで一年はそんなに長くはないぞ、おちおちしているとすぐに終わってしまうぞ、という意識変化があったことだ。
一方、連続式は1日ずつのマス目が全てあるので先ほどの円スタイルよりさらに緻密なスケジュール管理ができる。でも、それだけなら他の手帳でも似たようなことはできなくもない。これはカレンダーの月と月の間にすき間がなくガチャンとテトリスのように繋がっているのが特長。月をまたいだ展示会や出張スケジュールなどピンポイントの予定だけでなく自分の持ち時間の把握にも適している。仕事で原稿を頼まれたり、企画を依頼されたりという時、当然締め切りがある。それをこの連続式でプランしてみるのだ。現在地としての今日からその締め切り日をみると、自分に残された持ち時間というのがハッキリと認識できる。特に月をまたいだ場合であったもだ。マンスリーページやカレンダーでは月の狭間が途切れてしまうので、持ち時間をカウントしづらい。この連続式なら、グルリと線で囲めば持ち時間が面積となって現れるので、断然わかりやすくなる。
■ 新たな使い方
これまでの「ラフィーネ」ではなかった新たな使い方もいくつか生まれた。たとえば「フレームマンスリー手帳」では、マンスリーページの中央の綴じ部分に2〜3mmほどのスキ間がある。ダイゴーさんによると、これは印刷・製本の関係でどうしても必要なものらしい。最初はスキ間があるのもなんかなぁと思っていたが、意外と使い途があった。先ほどの書ききれなかったことを枠の外に線で書き出す際、このスキ間を通り道にすれば、他の予定を邪魔せずにすむ。
もうひとつは、手帳バンドだ。「ラフィーネ」時代は、EPバンドというものでとめていた。しかし、「フレームマンスリー手帳」は少し大きいのでそれが使えなかった。手帳を鞄に入れているとページが開いて紙面が折れることがある。これは精神的ショックもやや大きく私の手帳へ向かう私の気持ちも折れてしまう。そこで、使ってみたのがミツヤの「アイデアルクリップ」。手帳カバーをガッチリ固定できて、手帳を開いて使う時は後ろ表紙に仮とめしておけばいい。なお、この「アイデアルクリップ」は「フレームマンスリー手帳」くらいの薄めであればちょうどよいが、厚めの手帳だとクリップが負けてしまう。
手帳を使う時は、このように表紙の後側にとめておく
メモページには連載の工程表を貼っている。こちらもこれまでより大きくなって使いやすい。
表紙を開いたところには「時計式ToDo管理ふせん」の仮どめスペースに。こうしてマスキングテープを下地に貼っておくと、貼り剥がしを繰り返しても紙面がぱさつかない。
扉ページには、その年の目標を記入
■ 少しばかりリニューアルした2019年版「フレームマンスリー手帳」
カバーの色はネイビーだけは従来どおりだが、それ以外の3色はすべてペンホルダーのところを別な色の2トーンカラーに。細かな所では、そのペンホルダーにある2019のフレーム枠をなくした。
中の紙面フォーマットは、ほぼ昨年と同じだが、2箇所だけこっそりと微調整している。ひとつはマンスリーページの右端にあるバーインデックス。これまでは全体が薄い線だったが、今回はその月だけを少しだけ太く目立つようにしている。
もうひとつは、冒頭の3年分カレンダーのフォントを他のページと揃えている。
ブルーは白いペン(画像はラミーノト)との相性がいい
ブラックにはシルバーボディのラミーイコン
ブルーはどんなカラーのペンにも合う。シェーファー センチネル シャープペン
グレーにはラミー2000 ペンシル0.5mmをあわせてみた。2019年はこのグレーを使っていこうと思っている。
*ダイゴー フレームマンスリー手帳
*ダイゴー 公式サイト
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