■ その77 「ルイジ・コラーニデザインのペン」 ペリカン No.1 1,050円
□ルイジ・コラーニ。
ベルリン生まれのインダストリアル・デザイナーである。
コラーニ氏は、ユニークな流面形のデザインを数多く手がけている。
その守備範囲は靴、飛行機、トラック、自動車、カメラ、椅子などとても幅広い。
ルイジ・コラーニ氏のことを色々と調べていくうちに、
ユニークな流面形デザインのベースには
地球の環境問題というコラーニ氏の切実な想いがあることが分かった。
例えば、トラックは角ばっているものが多いが、
コラーニ氏がデザインすると見るものを圧倒してしまうほどの
流面形になってしまう。
それは、空気抵抗を考え抜いたもので、
通常の角ばったトラックよりも燃料がなんと30%も節約できるというものだった。
資源であるエネルギーを浪費しない1つの方法として、流面形があるようだ。
コラーニ氏がそうした流面形デザインのモチーフにしていると言われるのが、
自然界の生き物だ。
その自然な形は少しの力でより早く、長く移動することができるものだと言う。
流面形は、スタイルがよいということだけでなく、エネルギーを浪費しないという
地球環境の大きなテーマがあったのだ。
□その、ルイジ・コラーニ氏がデザインしたペンがある。
ペリカン No.1だ。
ボディ全体は樹脂で出来ている。ちょっとザラザラした質感のある表面加工は
樹脂ながら、上品なたたずまいを見せている。
控えめではあるが、コラーニ氏の流面形はしっかりと健在だ。
握ってみると、グリップが三角軸をしてることに気づく。
ペンを握る時に力が加わる、親指、ひとさし指がくる面はいくぶん大きくなっており
残りの面、つまり中指で支える面は小さくなっている。
単純な正三角ではなく、人間の指を考え抜いたフォルムになっている。
握ってみると、これがとてもしっくりとくる。
特に指先にそれほど力を入れなくとも自然に握ることが出来た。
□ボディと一体成型されたクリップは、強度を保つためだろうか
クリップの根元が厚めになっていた。
このクリップを横から眺めてみると、ブランド名でもある鳥のペリカンを思わせる。
氏の自然界をモチーフにということが垣間見えて楽しい。
□ボディのサイドには、スライドノックがある。
それは、ボディ面から大きくはみ出ることなく、すっきりと収まっている。
ノック面には出っ張ったドットが等間隔で配置されており、
親指のはらで、簡単にスライドすることができる。
そのノック面の反対側には、
DESIGN by Luigi Colani と控えに彫りこまれている。
□コラーニ氏のデザインの根底に流れている
エネルギーを浪費しないという点から、このペリカン No.1を見てみると、、、
このペンで大気汚染が減少する訳ではない。
しかしながら、
絶妙な三角軸でとても握りやすく、書きやすいので、
文字を書くときのエネルギーという点で見た時に
書く行為には、それほどエネルギーを使わずにすむ。
その分、書くための内容を考えるというほうに
むしろ使えるような気がする。
これもエネルギーの有効活用のひとつと言えるのでは・・・
ちょっと、深読みしすぎだろうか。。。
(2005年5月24日作成)
< ルイジ・コラーニ氏に上記の疑問を直接お尋ねしてみました! >
■ ペリカン No.1ボールペンは、こちらでも手に入ります。
□ 関連リンク
■ ルイジ・コラーニ氏のオフィシャルサイト
インダストリアル・デザインナーがつくったその他のペン
■ エミリオ・アンバス氏デザインの 「クネクネと曲がるペン」 ぺんてる Flexibolpen